金利の見方 2011 1 15
高齢者を中心に、日本の超低金利には不満があると思います。
たとえば、「いくら貯金をしても、
利息は、すずめの涙だ」という不満でしょうか。
しかし、日本の金利は、先進国では高い方であると書いたら、
どう思うでしょうか。
きっと、「そんな、ばかな」という反応が大勢を占めるでしょう。
たとえば、こう考えてみてください。
預金金利が5%ぐらいあると、きっと、うれしいでしょうが、
インフレ率が、それ以上だったら、実質金利はマイナス金利です。
一見すると高金利に見えても(名目金利)、
実質的には、金利はマイナスになっているのです。
このように、金利を見るときは、インフレ率も考慮する必要があるのです。
日本は、インフレではなく、長らくデフレが続いています。
1個100円の商品が、半年後には98円、1年後には95円になっていたとすると、
物価が下落したという見方がありますが、
これは、100円硬貨の価値が向上した、
あるいは、100円硬貨に「見えない利子」がついているようなものだという見方もできます。
デフレの時代に、現金は王様となります。
こうしたことは、経済学を知らなくても、感覚的にわかりますので、
現金に対する偏愛、つまり、現金をため込むことになります。
要するに、マネーが退蔵されてしまうのです。
このような経済情勢では、消費者は、
「もう少し待っていれば、さらに値段が下がる」という態度になってしまいます。
つまり、「デフレの味」を覚えてしまうのです。